ごあいさつ
- 第30回日本がん分子標的治療学会学術集会
- 会長 田原 栄俊
広島大学大学院医系科学研究科 細胞分子生物学研究室・教授
このたび、第30回日本がん分子標的治療学会学術集会の会長を務めさせていただくこととなりました、広島大学大学院医系科学研究科の田原栄俊です。記念すべき第30回学術集会という節目に、がん分子標的治療の創薬実用化を牽引する本学会の会長を拝命いたしましたことを、大変光栄に存じます。
厚く御礼申し上げます。
第30回日本がん分子標的治療学会学術集会は、2026年6月30日(火)から7月2日(木)までの3日間、瀬戸内海の島々を望む、G7サミットの会場ともなったグランドプリンスホテル広島にて開催いたします。今回のテーマは「創薬エコシステムで未来を拓け!〜がん治療の革新と実用化への挑戦〜」です。
本学術集会では、創薬の基礎研究から最先端の応用研究まで、幅広い分野にわたる活発な議論ができる場を目指しております。また、「科学者ダイバーシティシンポジウム」や「産学連携シンポジウム」をはじめ、スタートアップ、若手研究者、海外研究者の皆様にも積極的にご参加いただける企画を多数ご用意しております。特に、今回は研究者と製薬会社やスタートアップ支援者とがone-oneミーティングできる仕組みをいれて、日本の創薬の実用化を加速化させる取り組みを入れました。創薬の実用化で困っている研究者とアカデミアシーズを探している製薬会社のマッチングの可能性を引き上げたいと考えています。
さらに、今回は日本RNAi研究会との共催により、学術集会に引き続き2026年7月2日(木)から7月4日(土)にかけて関連イベントを開催いたします。ここでは、創薬の実用化における課題や創薬エコシステムについて、より深い議論を行う予定です。また、創薬スタートアップを計画されている研究者や、すでに起業されている方々によるピッチイベントも、日本がん分子標的治療学会と共同で実施いたします。
創薬の実用化の約80%はスタートアップが担っている現状を踏まえ、本学会としても創薬実用化の課題を皆様とともに考え、打開策を見いだすことが重要であると考えております。
世界的に平和を脅かす状況が続く中、広島は平和の象徴として重要な役割を担っています。広島で本学会を開催するにあたり、平和を希求するがん研究の発信にも力を入れてまいります。
皆様とともに、サイエンスに関する有意義な議論ができることを心より楽しみにしております。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。